パートの客室清掃員をスタート地点として、どこまでのキャリアが築けるのか。なかなか難しい所もありそうですが、若いママさんや若い男性にとっても、考え方や働き方によっては長く続けられる仕事ではありますので、良いキャリアパスがあると良い様に思います。
一部、仮定や仮説、想像の部分も含みますが、実現可能性を最大限に加味して、その道筋について考えてみたいと思います。
まず見えているのは、
「パート客室清掃員」→「パートリーダー客室清掃員」
です。ここまでは頑張り次第で割とスムーズには到達できそうです。この先は社員への登用有無が重要なので、会社の方針を確認して社員登用されている職場選びが重要です。
次のステップとして、
「パートリーダー客室清掃員」→「客室清掃責任者(チーフ)」
のチャンスが掴めれば、多くの場合、正社員でのキャリアが掴めます。非正規雇用を望まない人にとっては良いキャリアになりそうです。逆にフルタイムを希望しない人は、当面パートタイムでの時給アップを狙うしかなさそうです。
さてさて、難しいのはこの先です。
男性であれば「ファシリティ管理」の職種に進む事もありそうです。どのホテルでも大概、ホテル施設のメンテナンス職を設けていて、様々な修繕作業を行なっています。客室清掃員は、これらのファシリティ担当者と客室内の破損や故障について連携している場合も多いので、仕事の内容もイメージしやすいですし、職人気質の人には向いているかもしれません。
ただ、ホテル内の様々な機器に携わるので、危険物取扱者や電気工事士の資格などが要件に含まれているかもしれません。
客室清掃責任者(チーフ)は管理職ではあるのですが、最終的に支配人などへの出世には「営業スキル」が必須ですので、正直、直接は難しいのが現実ですから、客室清掃責任者(チーフ)として社員になれたら、どこかのタイミングで一度「フロント職」や「営業職」に社内異動などのチャンスを狙うのが良い様に思います。
客室清掃の仕事に対する思いが強いのであれば「客室清掃オペレーション」など本部で客室清掃の手順やルール、設備の効率化・コスト削減などを協議・改善して各店舗へ落とし込むような部署へのステップアップも見込まれそうです。新しいものを生み出す部署ですから、現状分析・改善提案とその効果測定などの創造性も必要になります。
また営業も得意で将来的に支配人を目指す人にとっても、営業が苦手だけど店舗を支える裏方が得意な人にもオススメな「支配人補佐」といった職種もありそうです。
支配人は地域の企業や市民団体・地元の議員などともお話をしながら、地域のイベントなどでの宿泊需要を掘り起こして自ホテルの活用を働きかける仕事もありますから、店舗の細々した数字管理や、細々とした従業員のフォローなどまでは手が回りませんので、そこを支援する職種があります。
店舗の売上や稼働率などの数字管理では営業的な理解や、人材管理的な部分もありつつも、裏方仕事なので幅広い人にとってのキャリアパスになりそうな職種です。
今は「パートの客室清掃員」であっても考え方次第では「ホテルマン」としての企業人までのキャイアパスを描いていく事は不可能ではなさそうです。
特に若い人にとっては、選択肢が広いに越したことはありません。
会社によっては社員登用していない、とか、部署移動できない、とか、職種を変えられない、とか様々あるかと思いますが、そこは転職活動なども加味しながら、自身のキャリア戦略として何かの参考になれば幸いです。