僕はパートの立場なので詳しい事は分かっていませんが、人が足りない時なのか、研修の一環なのか、定期的にその日フロント業務を担当していない人達が招集されて、1人1部屋ほど1時間程度をかけて、客室清掃をする日があります。
僕は今のホテルしか経験がないので他のホテルは分かりませんが「客室が商品」が事ある毎に支配人や会社のメッセージとして従業員には共有されます。
丁度、向かいの部屋を清掃していた僕に、外国人のフロントさんが、真新しい清掃用具と共に「どれで何を洗いますか」と聞かれて普段はやらない仕事ですし大変だなぁと思いながらも、自分の仕事もあるので、手短に説明をしました。
メイクスタッフとしては「ちょっと嬉しい」瞬間というか、日頃の自分達の仕事が尊重されて、他の役割のスタッフも経験してくれる、というのは、苦労や大変さもそれなり共有されると思うので、会社の方針には賛同をしました。
その後、客室清掃を終えたフロントさん達はロビーに集合して、支配人を交えて何やらミーティングもされていた様です。
「清掃の仕事」というと世の中には馬鹿にする人もいる様ですが、宿泊業において客室清掃は「商品を作り上げる仕事」です。
清潔なのはもちろんですが、備品の配置、テレビのチャンネルからエアコンの設定温度まで全て細かく決められていて、それらにはどれもお客様が快適に過ごしてもらえる様にとの「おもてなし」の意図が込められています。
まあ、何かとしんどい仕事でもありますが、長い人は長く続けている仕事でもあるので、日中のど真ん中の数時間で働けるといった条件面含めて、一方で魅力もある仕事なのかも知れません。