楽しくホテルの客室清掃・FIRE男のブログ (ホテせそ)

運動嫌いな僕にとってはジム代わりどころか、健康に身体を動かしてお金まで貰えてしまうのです。

「インバウンドさん」のお部屋。

全てのインバウンドさんのお部屋とは言いませんし、日本人のお客様でもいらっしゃるのかも知れませんし、何より仕事ですから「お客様には、お部屋でゆっくり寛いで貰う事で対価を頂いています」から、自由にして頂いて構わないのですが、僕が実際に清掃したお部屋です。

それは、ツインのお部屋で開けた瞬間に「あちゃ〜」でした。僕が客室清掃の仕事を始めてから、初めてのここまで荒れた嵐の様な部屋だったので、印象が強かったのかも知れません。

タオルは部屋中に散らばり、その白のタオルと同化する様に、予備まで全部使用済みの散り散りになったティシュが、枕元のベッド下をはじめ、部屋中に散らばっています。

「ここは雪景色か・・・」

それに混じってところどころにペットボトルや缶が散乱しています。机の上には、汁の残ったカップラーメンの器が3つ4つ置かれたままで、匂いも漂っています。ゴミ箱周辺には、溢れるほどのお酒の缶・日本酒の瓶が転がっています。

極め付けは、ドアの裏側に積まれたタオルの中から、まだ真新しい黒の革靴が片方ずつバラバラと出てきました・・・バスルームには、ボウルと泡立て器、スパチュラが鏡の前に歯ブラシと共に放置されており、洗面台のヘアキャッチャには、何かの麺の屑が詰まっていて、予備のトイレットペーパーは丸ごとありません。

別日にも同僚が担当した部屋は、バスルームの前から客室にかけて水浸しで、タオルを何枚も使って拭き取りながらも、バスルーム内全部が汚れていて、ゴシゴシ洗浄しても中々汚れが落ちなかった様です。(要特掃・・・)

「一体、何をしたら、こうなるのか・・・想像を絶するそうです・・・」

こちらの部屋もインバウンドさんだったそうです。「文化の違いもあるみたいですし」と心の広い同僚は言っていましたが、ここまで酷い部屋も今まで無かったみたいで、僕なら完全に「ふざけんな」と思います。

昨今のオーバーツーリズムも問題になっていますが、正直、客室清掃員の間では、

「インバウンドさんの部屋はやりたいくない」

が通説になりつつあります。

何とかならないものかと改善を切に希望している僕たちホテル関係者です。綺麗に使って欲しいとは言いませんが、自分の家でやらないことは、ホテルでもやらないで欲しい、とは思います。

昔の日本でも「電車内では床にゴミを捨てるのがマナーだった」という映像を見ましたが、世界にはまだまだ様々な常識で暮らしている国があるのかも知れませんし、悪気はないのかも知れませんが、お掃除する側は辛いです。