楽しくホテルの客室清掃・FIRE男のブログ (ホテせそ)

運動嫌いな僕にとってはジム代わりどころか、健康に身体を動かしてお金まで貰えてしまうのです。

「客室清掃」にも感じる「日本品質」

僕は、ビジネスホテルチェーンで客室清掃員のパートで働いているのですが、客室清掃責任者(チーフ)を始めとして、パートリーダーの皆さんにも、その「品質」「維持」する「誇り」「お客様第一」が浸透している様に感じます。

僕のホテルでは、人手での作業ですからどうしても漏れも出てしまいますが、清掃チェックの基準として、胡麻粒程の汚れ、水滴、まつ毛程でも残す事は「品質」として許されません。

日本の商品・サービスの品質の高さは、世界でも有数だと思いますが、それは「客室清掃」の仕事にも感じていて、多分、お金の事だけを考えたら、世の中的にはそれほど高い金額を稼げる仕事でもありませんが「仕事」としての「責任感」が品質にも表れていて、日本人らしさ、勤勉さを感じます。

昨今は、残念な事に日本の物作りの品質にも影を落とす様に、自動車メーカーの不正問題が度々発生していますが、日本品質は世界に誇れる「正確さ」を持ち合わせている様に思います。

その分、従業員の側には、対価に見合う以上の責任やプレッシャー、結果の精度が求められるのですが、そこを乗り越えて支えて来たのが日本で働く人々です。

昭和の時代はそれでもまだ右肩上がりの将来が見えていたから良いけれども、平成もなんとか誤魔化しながらのらりくらりと経営者はやって来たのでしょうが、もう限界です。

世界の競争に晒されるが故の「効率」と「日本品質」の双方を維持するために、現場には「相当の負荷」を掛け続けてきましたが、これからは、そのバランスを取らないと「不正」や「破産」などのより厳しい結果が待ち受けている時代です。

僕は、四半世紀程、外資系のIT企業で会社員をしていましたが、特に欧米の企業は、もちろん必要な品質は担保するのですが、必要以上の品質は追わずに「効率」を重視した経営方針が垣間見えます。つまりは、ある程度の品質不備は顧客の不満足の原因となってもビジネス的な観点で切り捨てる判断をします。

そこをどう判断するのかは、日本企業の課題の様に感じます。人材不足も一層進む中、現場の人員を増やしたり、従業員の賃金を上げて「品質」と「効率」の両方を担保するのであれば、別の部分で経営的なコスト削減や売り上げアップが必要ですし、今の低コストを維持するのであれば、どこかでビジネスに影響しない程の「品質」は犠牲にせざるを得ないかも知れません。

経営陣の方々には、くれぐれも現場に投資せず、従業員の賃金アップもなく、低コストのままで「高品質」を維持しようだなんて、必ず痛い目を見ますから、そんな虫の良い話を当たり前だと考えないでいただきたいものです。